昨日Amazon製スマートフォンが発売されました。iPhone,Android端末に続く第3の勢力になるかもしれません。
Amazon Fire Phone, 32GB (AT&T)
特徴
- 画像格納用のクラウドサービスが使い放題
- Amazonサービスへの強い親和性
- Amazon flowに代表される高いイメージ認識機能を搭載。
- ゲームやホームスクリーンの3D対応
- 1年間無料でAmazon primeが使える
Amazonのスマートフォン販売の理由はいうまでもなく2です。今や恋人以上に人生をともにしているこのデジタルデバイスをハックし、ユーザーの生活の中心へ入り込もうということです。
ご存知のとおりAmazonはインターネット小売の最大手で世の中のありとあらゆるものを販売、配送する仕組みを持っています。先日は音楽のダウンロード販売にも進出したので、デジタルメディア売買の下地もできて磐石の態勢で満を持して独自スマートフォン販売へ乗り込みました。
現時点でAmazonでは7,000万商品、3,500万曲、245,000動画を販売しています。ここまでの販売インフラを整えている企業は地球上に存在しないので、これは強力です。
ちなみに値段はAT&Tとの2年契約パックの場合、32GBで$199、$64で$299です。Unlockは$650。
iPhoneと同じくらいの価格帯です。
これは結構意外でした。
2011年に販売されたKindleは$199でiPadよりも$300近く安価でした。その価格設定の裏にはハードでは儲けずソフト(Amazon経由での買い物)で儲けるという明確な意図が見て取れたのですが、今回のFireの値段設定は何を意図しているのでしょうか?
単純にテクノロジーを詰め込んだために原価が高くなってしまったのでしょうか。
いや、あのジェフベソスCEOに限ってそんな中途半端なことをするわけがない。
では端末それ自体でもiPhone,Android端末と十分渡り合える、もしくはそれ以上という自負があるのでしょう。
先に紹介した特長1、3、4がこれにあたりますが果たして真意は。
値段設定を安価にしたときのリスク
前回の投稿で中国製のスパイウェアがプレインストールされたスマートフォンについて意見を書きましたが、このAmazon Fireflyも同じような販売の仕方はできたはずです。
例えば、ブラウザのデフォルト設定がAmazom.comで固定とか、ホームスクリーンに定期的に広告が入る代わりに値段はiPhoneの5分の一にするとかです。
とりあえずスマートフォンが欲しいけどお金がないまたは、節約したい人は手にとるかもしれません。
仮にそういう販売方法がAmazonの経営戦略meetingで議題に上ったと、勝手に想像して(笑)、なぜそちらに舵ををとらなかったのか。私なりに少ない脳みそで考えてみたのですが、恐らく安価な価格設定で購入するユーザー層とAmazonが囲い込みたいユーザー層が一致しなかったんじゃないかと思います。
インターネットでよく買い物をする人ならご存知かと思いますが、決してAmazonは最安値で売っているわけではありません。
ネット上の競合よりも高い場合もあるし、実店舗で買ったほうが安い場合ももちろんあります。
なのでAmazonが欲しいのは価格が第一優先の購買層ではなくて、ターゲットはあくまでわざわざ実店舗へ行かなくても商品を届けてくれることが第一優先の購買層なのでしょう。
なのでその経営戦略meetingではノー!となったんじゃなかろうかと勝手に推測しています。
もうひとつ可能性があるのは、予期せぬ価格低下です。Kindleの場合は、販売された後にあっという間に値崩れがおきて価格が$70程度まで落ち込みました。ここまでの急激な下落は赤字になれているAmazonでもさすがに許容できなかったのかもしれません。
また、ブランドイメージという観点からいうと競合製品と比べて圧倒的に安い製品は、どうしても『性能もそれなりなんでしょ?』感を与えてしまいます。
これはいけない。Amazon帝国を築こうとしているベソスには許しがたい結果になってしまいます。
妄想もたぶんに入っていますが、Amazon phoneに関する所感はこんなところです。
3ヶ月後の売れ行き状況がどうなっているか楽しみです。
皆さんは買いたいと思いますか?思いませんか?
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