実験

比較動画 ホームレスが道で転んだ 対 ビジネスマンが道で転んだ

Homeless Vs Businessman: Falling (Social Experiment)
ビジネスマンがあなたの目の前で転んだらどうしますか?それではそれがホームレスだったら?

DmPranksProductionsという恐らくアメリカの会社か団体がそんな実験をした動画です。

これをみてどう感じますか?やっぱりホームレスは虐げられているんだね。かわいそう。これがマジョリティな感想でしょうか。僕もそう感じます。ただそんな当たり前の感想をかいても面白くないので別の切り口から所感を書いてみます。

『The homeless acted like a drunk』

誰かが動画のコメントに書いていました。そのとおりです。明らかにホームレス役の人のほうが演技がうまい。本当に酔っ払っているみたいです。ちょっと危ないくらいです。対してビジネスマンの方はお世辞にもうまいとはいえません。しかし杖をついています。よく見えませんがホームレスも杖を突いているかもしれませんが、杖をついたビジネスマンのほうがはるかにレアでどこか体に障害を負っているというメッセージが安易に汲み取れます。つまりこれはホームレス 対 ビジネスマンではなく、酔っ払い 対 障がい者への対応比較というほうが正しいと思います。

いくらビジネスマンでも酔っ払いが転んだだけでどのくらいの人が歩み寄るでしょうか?

社会実験というタイトルですが、この実験はいったい何回実験をして、この動画に登場するサンプルはいったいそのうちの何人なのかが気になります。編集でいくらでも作りこめますからね。冒頭の『やっぱりホームレスは虐げられているんだね。かわいそう。』←この感情を導き出すために誘導することは容易です。

みんなにやさしい社会をつくりましょう。ホームレスにも優しく!

大賛成です。この誘導をすることに(仮にしてたとして)何ら反対はしません。昔から新聞を疑え!とはよく言われたものですが、現代版に訳すと動画を疑え!、もしくはWebサイトを疑え!ということでしょうか。自身がWebサイトにまつわる仕事をしていると、エンドユーザーが目にする画面には実に様々な施策がちりばめられていることがわかります。語弊を恐れずに言えば、全ては偶然のクリックではなく、必然のクリックだと思っています。新聞やテレビと違い不特定多数がコンテンツを作成することができるWebの世界ではウソをついたとしても、責任の重みなんて比較にならないほど低く、その所在もそもそも特定できないかもしれません。なので2013年は『Webを疑え!』これで流行語大賞を狙いたいと思います。

世の中にウソなんてたくさんあるんです。

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