みなさんは山下達郎の『クリスマス・イブ』を聞くと何を思い出すでしょうか。
僕は間違いなくJR東海のコマーシャル『クリスマスエクスプレス』を思い出します。
話題になってシリーズ化されたという点では、やずやの雪待ちにんにく卵黄の大先輩というところでしょう。クリスマスの季節になると流れるこの曲はいつしかクリスマスのテーマソングとなり、この季節、多くの場面で使われることとなりました。
そして、この曲に負けず劣らず話題になったのはこのクリスマスエクスプレスのコマーシャルです。当時JRは旧国鉄ということでとても硬いイメージがあったのですが、このコマーシャルを流すことでイメージの刷新に成功。CM放送の翌年から一気に就職人気企業ランキングの上位に踊りでたという話です。
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クリスマスエクスプレスに代表される"エクスプレス"シリーズは、もともと東京発、新大阪行きの新幹線最終便に対してつけられたキャッチフレーズで、CMの中では遠距離恋愛の恋人どうしが新幹線のプラットフォームで出会い、分かれる姿が描かれています。
この影響で当時はたくさんの若者が新幹線のホームで”シンデレラエクスプレス”をし、イブの夜にはその流れで都内のホテルが軒並み満室、予約は半年前からしなければならないほどでした。
すごい威力です。
ちなみに、クリスマスエクスプレス以外にも、「アリスのエクスプレス」、「プレイバックエクスプレス」、「ハックルベリーエクスプレス」、「ホームタウンエクスプレス」、「ファイトエクスプレス」、「リニアエクスプレス」などがあるようです。
どのくらいのカップルが”シンデレラ・エクスプレス”をしていたかというと、
このCMが放送されると、実際に恋人たちが新幹線で週末に相手のもとに会いに行き、最終の新幹線のホームで再び別れる姿が各メディアで注目されるようになり、現実に各車両の出入口毎に1組のカップル、という状況も見られた。
出典:wikipedia
らしいです。
歴代クリスマスエクスプレスのヒロイン
クリスマスエクスプレスの歴代のヒロインをみてみると、後に活躍する有名女優が多数出ていることがわかります。
1988年
ヒロインは深津絵里、キャッチフレーズは『帰ってくるあなたが最高のプレゼント。』
いやあ服や髪型に時代を感じますね。このとき彼女はまだ15歳だそうです。
1989年
ヒロインは牧瀬里穂、キャッチフレーズは「ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです。」
視聴者から「このかわいい子はだれだ!?」と問い合わせが殺到したそうです。最後の物陰で待ち伏せしている場面がかわいいです。
1990年
ヒロインは高橋里奈、キャッチフレーズは「どうしてもあなたに会いたい夜があります。」
カワイイ系から一気にキレイ系になりましたね。
1991年
ヒロインは溝渕美保、キャッチフレーズは「あなたが会いたい人も、きっとあなたに会いたい。」
この顔は何系というのでしょうか?すみません、キャプチャした画像に多少の悪意があるかもしれません。
1992年
ヒロインは吉本多香美、キャッチフレーズは「会えなかった時間を今夜取り戻したいのです。」
ここまでが初期のコマーシャルです。携帯電話もインターネットもまだまだ一般には普及していなかった時代、会いたくても会えなくて、しゃべりたくてもしゃべれなくて、そんなもどかしさがあるからこそ、募る想いと会えた時のうれしさがダイレクトに伝わってきます。動画を振り返りながらなんだかノスタルジーにふけってしまいました。
時は流れて、それから10年。後期のバージョンです。
2000年
ヒロインは星野真里、キャッチフレーズは「何世紀になっても会おうね」
このバージョンでは深津絵里と牧瀬里穂が友情出演しています。気になる方は動画をご覧ください!
こういう社会的に影響力のあるようなコマーシャル、またでてきてほしいですね。これらの作品を企画のは、CMプランナー・三浦武彦氏と、ディレクター・早川和良氏。当時このクリスマスエクスプレスをはじめ数々のヒットCMを世に送り出したCM会の重鎮です。彼らの追い求めるものは"日常の中にあるストーリー"。
作りこむのではなく、日常のなかにこそ感動が潜んでいるという考えの下、かれらの手がけたCMは一環してこのキーワードが見てとれます。
そんな彼らの手がけたCMの誕生秘話、背景、隠されたメッセージや製作当時のエピソードなどをまとめた本がこちらです。 読み物としても、企画や製作にたずさわるビジネスパーソンも必読の一冊です。
というか、この動画、アメリカ全然関係ないじゃないか!という声が聞こえてきそうですが、たまには無視することにします。
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