アメリカに住み始めて7年目。カリフォルニア州内ですが引越しもかれこれ4回。今回は引越し直後ということもあり、アメリカで引越しをしたときのデポジットの返金について書きたいと思います。
私のケースでは、入居時に$900のデポジットを支払いました。
2年半住んで、返ってきたデポジットは$305。
ちなみに、デポジットから引かれる要素となると自分で思うのは下記。
1.小型犬を飼っていたので、気づかないところに絨毯の汚れがあるかも?目視レベルではなし。
2.網戸がとれてしまった。私側の理由により網戸が一箇所ない。
3.軽い掃除のみ。バスタブの湯垢やダクトの油汚れは軽く拭いた程度。
とまあ、思うところはあるのですが、
過去3回のデポジットはほぼ全額返ってきており、今回はちょっと意外だったので調べてみました。
デポジットとは?
このページをみている方は既にそんなことは知っているかと思いますが、念のために説明します。
デポジットとは新たに入居するときに、家賃とは別に支払う保証金です。
日本でいう敷金にあたります。ちなみに日本の礼金のような制度はないので、アメリカでの引越しは経済的な負担が少ないといえます。
私は東京に10年ほど住んでいましたが、敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、不動産仲介量1ヶ月、最初1ヶ月分の家賃で合計6ヶ月分の家賃が必要というのが殆どでした。仮に8万円の部屋を借りたとすると、初期費用で48万円。高い!
それと比較するとアメリカはとーっても安いですね。
平均どのくらいのデポジットが返ってくるのか
デポジットについて理解したところで、話をもとに戻します。
最初に気になったのは、アメリカでは平均どのくらいのデポジットが返ってくるものなのか? です。
過去3回は全額返金だったから、今回がおかしい! というつもりはありません。たまたまラッキーなだけだったかもしれませんからね。
で、結果ですが、正直ケースバイケースですね。平均をだすことにあまり意味がない気がするので控えます。
全額返ってくる人もいれば、逆に請求された人もいる。
では何が返金額をきめる要素となるのでしょうか。
法律で決められているデポジットの用途
確実なのは入居時の契約書を隅々までみることなのですが、ほとんどの人はちゃんと見ていないと思います。
さまざまなサイトを確認すると大家さんがデポジットから費用として差し引いていいのは以下の4つのケースです。
1.家賃の不払いが発生した場合
何らかの都合で家賃を支払わなかった時、このデポジットから引かれていきます。
大家さんも生活がかかっていますから、リスクを回避するための当然の措置となります。
2.クリーニング代
部屋をクリーニングする代金としてデポジットが引かれるケース。ここで大切なのが、費用を使っていいのは、あくまで、入室時の状態に戻すのにかかる代金です。
そして、生活していれば当然汚れるであろうものに関しては借り手ではなく、大家さんの負担となります。英語ではwear and tearといいます。
このクリーニング代として引かれるケースとしては、下記が挙げられます。
1.キッチンの激しい油汚れ
2.冷蔵庫を設置していたところの激しい汚れ
3.家屋への損害代
壁や備え付けの家具に甚大な被害を与えてしまった場合は、デポジットからひかれてしまいます。ちななみに棚を設置するための小さな穴などは自分で修復しておけば大丈夫なようです。
この家屋への損害代として引かれるケースとしては、下記が挙げられます。
1.インターネットやテレビのケーブルを通すために壁に穴を開けた場合
2.フロアリングへの大きな傷やクリーニング不可能な絨毯の汚れ
4. 現状復帰するための労働費
備え付けの家具を自分用に配置変換していたり、鍵を取り替えていた場合、元に戻す費用はデポジットからひかれます。
セキュリティは金で買うのが当たり前なアメリカですから、鍵を自分で変えてしまう人もいるのでしょう。
A rental agreement or lease can never state that a security deposit is "nonrefundable
カリフォルニア州サイトより引用:http://www.dca.ca.gov/publications/landlordbook/sec-deposit.shtml
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デポジットはいつまでに返金されるのか
新居に引っ越したら、当然前の家からは遠ざかることになります。そこで不安になるのが、いつまでに支払われるのかという問題です。
これに関して、借り手はカレンダー日付で退去から21日以内に下記の方法で支払う、もしくは通知することになっています。
1.全額を返金する場合は、支払う
2.デポジットから引かなければならないことがある場合は、詳細と理由を知らせる。かかった費用のレシートも提出義務あり。
今回、私は全額返金ではないので2にあたりますが、詳細なレシートは現時点で届いていません。$305分のチェックが届いただけです。もしかしたら、チェックとは別でくるかもしれないので、もう少し待ってみます。
返金額に納得がいかない場合
大家さんやアパートメントに文句を言っても恐らく徒労に終わります。
がちで戦う気ならsmall claims court (簡易裁判所)に必要書類を提出して、裁判を行うことになります。が、裁判なので費用も当然かかってきます。時間もかかります。
期待しているデポジット額と比較して、意味があると思うならば挑んでみましょう。
少しでも多くデポジットを回収するために
すべてが終わった後で文句を言おうとすると、上記のように、面倒くさい手続きになりますが、事前だったら、やれることがたくさんあります。
私はもう遅いですが、これから引っ越そうとしている方に少しでも多くデポジットを回収するためにやって欲しいことは下記。
入居時に写真を撮っておく
当たり前のことかもしれませんが、入居時に壁の傷や絨毯の汚れなどがあったら、写真を撮っておきましょう。退去時に費用を請求されたら証拠として使えます。
不具合はすぐに管理人に言う
アメリカでは入居直後に問題がおきることが多々あります。そんな時は、面倒くさがらずにすぐに管理人に言いましょう。入居直後ならば、初期不良として無償修理なところも、時間が経つと、あなたの責任にされかねません。
下記、私が初期不良として報告経験があるもの。
<アパート編>
1.設置されていたガスコンロの4つのうち1つが動かない
2.バスループのタオルかけが簡単に外れてしまう
3.キッチンのシンクが詰まっている
4.バスルームのシンクが詰まっている
5.アリが大量発生
<家編>
1.モーションセンサーの屋外電気が着かない
2.ランドリースペースの水漏れ
3.硬すぎるシャワーヘッドの交換
4.ガスストーブが動かない
これらは入居から3日以内には全部報告して、すぐになおしに来させました。アパートによっては、報告しても全然修理に来ないというケースもよくあります。根気強く連絡し続けましょう。
報告するには電話だけだとちょっと弱いです。私の場合は、管理人室に手紙を投函し、電話し、さらに訪問します。面倒くさいですが、これをやらないと後でもっと面倒くさいです。
退出時の確認は引越し前に、管理人と
意外に知らないのがこれ。実は私もやったことがないです。
鍵を返す前に、管理者と一緒に部屋のチェックをし、どこがこちらの過失と認識しているかその場で確認します。後で勝手にやられると、こちらの言い分なしに全部過失にされてしまいかねます。
ヒアリングして修復が必要なところは自前でなおす
管理人立会いのもと、こちら側の負担となりそうなところがわかったら、自前で直すor修理できる人に頼み、直す代わりにデポジットを全額返金にしてほしい旨を伝えます。
これをやるには引越しに結構な余裕がないといけないと思いますが、出来る人はやってしまいましょう。コストも自分の目で確認することもできますし。
まとめ
100%損をしないで引越しを終えるのは至難の業です。しかし、損を減らすことはできます。
是非このページを参考にして無駄な出費を抑えてみてください!
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